美容師は売り上げ60万の生産性を当面の目標にするって聞くんだけど、正直あまり“売り上げ60万”の意味が分からないんですよね。サロンの生産性が60万円って具体的にどうなることなの?“生産性60万”と“売り上げ60万”を作るのとどう違うの??
こういった疑問にお答えします。
✔本記事のテーマ
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私は1人美容室を経営するかたわらで情報発信をしています。
しかし、美容師になってからの20年間、何度も挫折し失敗を繰り返し、たくさんの遠回りをしてきました。
経験した失敗や遠回りの経験を生かしたアドバイスをします。
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✔あなたへ前置きメッセージ
本記事は、『“60万以上の生産性を意識しなさい”と言うけども、あまり意味が分かっていない…。売り上げを60万円あげるという概念とはまた違うの??』という方に向けてポイントを押さえて解説しています。
売り上げと生産性の違い、あなたの技術者としての立ち位置、サロンの現状が今どんな感じになっているのかを鮮明にイメージすることができるようになる指標をプレゼントします。
『売り上げを上げたい』、『給料を上げたい』、『指名客を増やしたい』など色々な目標を実現するために、自身や職場の現状を知らずして対策を打つ事は出来ません。
今回の記事で、“60万の売り上げと60万の生産性の違い”、“現状把握の仕方と解決策”を分かりやすく説明していきますので最後までご覧ください。
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美容師指名100人ではなく売り上げ60万の生産性を目指すべき
美容師は売り上げ60万の生産性を目指すべき…というお話をしていきますが、その前に“生産性”と言うものについてお伝えします。
美容室が、健全な運営ができているか否かを判断する指標として“美容師の生産性”というものがあります。
美容師にとって売り上げ60万円の生産性とは?
“美容師の生産性”を簡単に説明すると、
のことです。
例を出してみます。
スタイリスト2名、アシスタント2名 合計4名で経営しているサロンがあるとします。
(※正社員、契約社員全てひっくるめての想定です。)
このサロンの先月の月間売り上げは、200万円でした。
この場合の生産性は、
となるわけです。
仮に、月間売り上げが120万円だった場合は…
となります。
一人当たりの売り上げを見ることが大切なのね♪
1スタ当たりの売り上げ60万円を目指すべき理由
美容業界でいう、損益分岐点(経営が黒字か赤字かの分岐点)は1スタ当たりの売り上げ50~60万円がボーダーラインであると言われています。
この損益分岐点の1スタ50~60万円を毎月コンスタントに達成していないと、サロンの体力がもちません。
(→ アースの美容師の年収や労働条件を見たらやはり厳しい【納得】)
そして、以下のような悪いループが起こります。
お客様へ提供するサービスの質が低下する。
客離れが起こる。
さらに1人あたりの売り上げが落ちる。
あなたのサロンの“1人あたりの売り上げ”はどうですか?
一度“1人あたりの売り上げ”についてチェックすることをおすすめします。
個人売り上げを見るのも大事だけど、1人あたりの売り上げもよくチェックしておかないといけないね。生産性をチェックすることで“サロンにどれくらい利益が残るのか”をイメージしやすくなるメリットがあるんだね。
美容師の売り上げが60万というのは具体的にどんな状況?
“1人あたりの売り上げ60万円”というのは具体的に、サロン現場がどのような状況になっていることを表すのでしょうか?
以下にまとめてみました。
『税理士を雇っていなくて、自分のサロンの現状の立ち位置が分からない。』
『経営していく上でのアドバイスが欲しい。』
といった場合は、ぜひ参考にして下さい。
1人あたりの売り上げ 40万円~49万円・・・赤字傾向
1人あたりの売り上げ 50万円~59万円・・・少し利益が出る(客数確保)
1人あたりの売り上げ 60万円~69万円・・・黒字傾向
1人あたりの売り上げ 80万円以上・・・サロンの経営体力が相当向上する
1人あたりの売り上げ 100万円以上・・・ 超黒字 スタッフの不満が出始める
損益分岐点は1スタ当たり50~60万であると説明しましたが、美容業界は季節変動指数が高いのが特徴です。
例えば、“年末年始”“成人式”“学校行事”といったイベントがある時期は売り上げが上がりやすいし、2月8月は売り上げを落としやすい(ニッパチの原則)傾向がありますよね。
なので、1スタ売り上げ50~60万ギリギリで満足していると、黒字の月と赤字の月が出てきて、経営的に不安定になるのです。
常に安定した利益を生み出すために、1スタあたりの売り上げ60万以上を目指しましょう。
当面は、“1スタ売り上げ60万以上”が目標です。
(→ 美容師が売り上げ200万の壁を破壊し給料を上げるための5項目【重要】)
美容室の平均売上について
全国の美容室売り上げ平均は、約170万円/月となっております。
そして1サロンが雇用している従業員の平均数は5.4人。
これらの平均で“1人あたりの売り上げ”を計算してみると31.4万円ほどになります。
あくまで全国平均の数字を用いて算出された“1人あたりの売り上げ”なので、参考程度にしかできませんが美容業界の厳しさが垣間見える気がしますね。
(→ 美容師が貧乏なのは真実か?極貧時代をサロン経営者が語る)
美容師の平均売り上げについて【200万円スタイリストを目指そう】
スタイリストの平均売り上げは、およそ49万円(歩合給も固定給も合算)ほどです。
おっ!ちょっと頑張れば60万円いけそう!!
いいえ、違います。
だって職場には“自分で売り上げを作れないアシスタント”も存在するわけです。
(→ 美容師のアシスタントの給料の手取り額を見て3秒であごが落ちた件)
アシスタントはシャンプーなどといった簡単な仕事やヘアケアノウハウを教えてあげたり、待ち時間中のお客様を接客したりなどといったサポート的な仕事しかできませんよね。
しかしそういったサポートを受けることができるからこそ、スタイリストはカットやカラーの数をこなすことができます。
効率良く売り上げを上げれるように、アシスタントにサポートしてもらいながら、アシスタントの分の売り上げも作っていかなければならないわけです。
美容師売り上げ60万円以上の生産性に必要なこと【目指すは200万】
“1人あたりの売り上げ”レベルごとに今後の課題と対策をお伝えしていきます。
1人あたりの売り上げ 40万円~49万円 ・・・ 小赤字(毎月の固定費が少なければ、なんとか経営できる)
1人あたりの売り上げ 50万円~59万円 ・・・ 小黒字
1人あたりの売り上げ 60万円~69万円 ・・・ 中黒字
1人あたりの売り上げ 80万円以上 ・・・ 大黒字
1人あたりの売り上げ 100万円以上 ・・・ 超黒字
繁盛しているのに、スタッフが辞めやすい美容院はこういったことが原因になっているのかもしれないね。
美容師が給料を上げたいなら売り上げ80万~100万を最初に目指す
今回お話したのは、1人当たりの売り上げから考えた経営戦略です。
経営というのは色々な切り口で活路を見出すことができるものです。
なので1人あたりの売り上げからの切り口から導き出された解決策がベストであるとは断言できませんが、かなり信頼性のある考え方かと思います。
美容師の考え方として、
✔ 固定再来率85%、新規再来率70%
✔ 客単価¥10,000
✔ 現場を離れて経営者になる
といった目標をみんなが持っています。
しかし一番大切なことは、あなたの現状のステージに見合った目標であるのかを客観的に見つめることです。
地方で雇われ美容師をしている人が、独立1年前後で年商1億円のモンスターサロンの経営はできません。
“売り上げ60万”などといった小さな階段を1つ1つ上っていく必要があるのです。
それを継続していくことで、得するのは雇用主である経営者ではありません。
あなた自身です。
(→ 美容師は手取り 40万を稼げ【普通以下の美容師よ輝け】)
あなたが成長していくことで、将来的に“セミナー講師”や“フリーランス美容師”や“個人事業主”、“業務委託”という働き方も見えてきます。
そのころには、『給与が少なくて困ってます…。』といった悩みなどからは解放されて、収入は右肩上がりに増えていくでしょう。
とはいえ、挑戦者が全員成功することはありません。
なぜなら“自分の現状を客観的に見ることができない人も多い”から。
サロン経営で失敗する人というのは、自分の現状を見ないで数段飛ばしで階段を駆け上がる人です。
急ぐあまりに、たった1歩を踏み外すと真っ逆さまに転げ落ちてしまいます。
経営の勉強はもちろん、経費や税金の勉強もしなければならなく、学び続けてさらに成長する必要があるのです。
開業してスタートしてから、すぐに《年収1000万円》とか《10店舗のサロン経営》といったゴールを見ず、まずは“売り上げ60万”のような小さな売り上げ目標を立てて、着実にステップアップしていきましょう。
(→ 自営業の美容師は年収600万円オーバー【一歩ふみだせば天国】)
今回は以上で終わります。
つたない文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
どんとこい!!