
なぜ美容師の給料は低いの?原因が分かれば、対策を打つことができるかな?だれか教えて下さい。
こういった疑問にお答えします。
✔本記事のテーマ
✔記事の信頼性
私は1人美容室を経営しており、現在月給100万円をコンスタントに稼いでいます。
しかし、美容師になってからの20年間、何度も挫折し失敗を繰り返し、たくさんの遠回りをしてきました。
これまでに経験した失敗や、遠回りした実体験を生かしたアドバイスをします。
✔あなたへ前置きメッセージ
本記事は、『なぜ美容師の中で富豪は生まれないのか?サロンワークは毎日忙しいのにどこにお金が流れているのかを知りたい。』という方に向けて書いています。
美容師はみんな給料が少ないことに苦しんでいます。しかしなぜ美容師の給料が低いのかを理解している人は少ないと思います。この記事を読むことで…どうすれば給料を多くもらえる美容師になることができるかを理解することができます。
私も美容業界に入った当初から、業界の収入の低さに疑問を持ち続けていました。
実際に経営者になったら、色々な事情が見えてきたんですね。
でもこのことは、美容師みんなが把握しておいた方がいいと思ったんです。
現状の問題を把握しておかないと創意工夫が生まれませんからね。
なぜ美容師の給料は低いのか?理由を2つ話す
美容業界に身を置かない人の大半はこう考えています。

美容室って、飲食に比べると“材料の廃棄”がないからいいね。カットに至っては薬剤なんかも使わないし、まるまる利益になるわけでしょ。美容室って利益率で考えたらものすごく高いよね。

アパレル関係は、流行があるから売れ残りがないように仕入れないといけない。売れ残った商品はバーゲンや福袋などで無理やりでも販売しないといけない。美容室はそういったものもないからうらやましい。
確かにこの考えは間違っていません。
では、美容業界はとても儲かっていて、美容師はものすごい額の給料をもらっているのでしょうか??
まったくもって、そうではありませんよね。
美容師の平均年収は280万円であるという公式データが出ていますので、それを元に解説していきます。
他業種の平均年収が436万円なので、年間で150万円以上の収入差があるとお伝えすれば、美容師の給料の少なさを感じて頂けるかと思います。
150万円の差は、もちろんボーナスを含めた値なのですが月収にすると、10万円以上の差があるわけです。
(→ 美容師の給料を手当で爆上げる時代キタ~!!【知らずは損】)
では、サロン経営者が一人で儲かってるの??
それも違います。
下の図をご覧ください。
2019年の理容業と美容業の倒産件数が119件となっています。
2018年の倒産件数と比べると8%以上増加しています。
そして2019年の倒産件数は、30年間で見ると過去最多の数字となってしまいました。
2016年の倒産件数26件から年々増加しているというのは、見逃すことができないキビシイ事実です。
(→ 東京商工リサーチのデータ)
2020年以降も倒産件数は、増える事は確実視されています。
では美容室が倒産する原因は何でしょうか?
調査の結果は以下の通りです。
2位 : 赤字累積による既往のしわ寄せ 12.5%
3位 : 運転資金の欠乏 5.0%
特に私が違和感を感じているのは、“お客様が結構入っているサロン”なのに倒産しているパターンが多いという事。
これはどういったことが起こっているのでしょうか?
利益が生まれる図式は以下の通りです。
売上がまるっと手に入るというわけではなく、その売上を上げるためにかかった経費を差し引くことで手元に残る利益が導き出されます。
流行っているのに倒産するサロンは、単純に毎月のランニングコストの負担が大きすぎると言ったことが起こっているのでしょう。
では次より、毎月かかる諸経費について深掘りしていきます。
サロン運用のための固定費がめちゃくちゃ大きい
固定費というのは、サロン売り上げがあるなしに関わらず、必ず毎月支払わないと受けない出費の事です。
サロンを運用していくうえでは様々な経費が必要になります。
どういったものがあるかというと…。
地代家賃
水道光熱費
材料費
通信費
消耗品
広告宣伝費
etc…
他にもありますが、これが一例です。
これらがサロン経営を圧迫し、美容師が経済的に困窮する状況を作っている要因の一つです。
美容室が目指す売り上げ目標は、大きければそれに越したことはありませんが、まずはこの毎月の固定費の数字を超えることが最低条件になっています。
固定費を超えた数字になって、初めて利益になります。
サロンが利益を増やす方法として、基本的には二つの考え方があります。
② 出費(固定費)をできるだけ抑える

入ってくるお金を増やしながら、出ていくお金を減らす。
この意識を持って、スタッフ全員が日々のサロンワークに向き合うことが大切ですね。
特に私の場合は、薬剤とか設備とか何でもこだわっちゃうものですから、開業当初は全くお金がまったく手元に残らない時期もありました…。
集客をするために相当な費用がかかる
まずはお客様に来ていただかないと売り上げを上げる事はできません。
そこでお客様にサロンへと足を運んでもらうために、サロンの宣伝をします。
サロンの宣伝をする際にかかる費用が“宣伝広告費”です。
どういった宣伝方法があるかというと、ホットペッパーなどの広告代理店にお金を支払って冊子に紹介記事を載せるパターンや、チラシを作成してポスティングやハンティング、新聞に折り込みチラシとして入れる…などのようなものがあります。
あなたがカウンセリングの際に使用するヘアスタイルのカタログも、美容室側がお金を支払って雑誌にスタイルを掲載してもらっています。

経営者は、毎月どれくらいの宣伝広告費を使っているの?
全体の73%のサロンは、売り上げ額の約15%~30%を広告宣伝費に使っています。
しかし健全な経営をしていこうと考えたら、広告宣伝費にかける金額は売り上げの10%未満で抑えるべきです。
広告宣伝費と人件費は、サロン経営を圧迫する双頭になっていると言えるでしょう。
効率良く集客するためにはなにが必要か?
先ほどもお伝えしたとおり、利益と言うものは…
ということになります。
なので広告宣伝費もできるだけ抑えつつ、集客をしなければならないわけです。
お金をかけずに集客…具体的にどうやればいいのか?
一例を出すと次のようなものです。
SNS
美容室経営をする上で、ぜったいに軽視できないのが口コミです。
なぜ、口コミが大事なのか?
見込み客は、ネット上などで利用者の体験談を見てサロンの判断をするからです。
美容室の口コミはどんなものについて書かれているのかというと
技術について
店内の清潔感や内装について
設備について
料金について
などです。
結局いい口コミを増やすためには顧客満足を追求しないといけない。
顧客満足を上げていくためには、満足させられる技術力はもちろんのこと、お店の内装や設備を良いものに変えたり、クリンネスを徹底するなども必要です。
そのためには資金がともなうわけですが、言うまでもなくこれらは必要な投資です。
SNSは、美容業界においてはマストツールです。
今や国民の8割が何かしらのネットワークシステムを利用しているというデータがあります。
もはや生活とは切り離すことができなくなったネットワークシステムを集客に使わないということは、集客力0のサロンと言っても過言ではないのです。
しかも、LINE、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなど、無料で使えるものがたくさんありますので、できるだけお金をかけないように集客するためにも活用していきましょう。
美容師の給料が低いのがなぜかを知ればすべきことはシンプル
と言うお話をしました。
しかしこれって広告代理店が悪いと言うお話ではありません。
あなた自身が広告代理店などの媒体を使わないと、お客を集めることができないから悪いのです。
そもそもあなたが集客できるスキルを持っていれば広告代理店に大金を持っていかれる必要もないわけです。
美容師の給料を増やそうと考えたときに、考えるべきことは…。
サロンにお金を残す方法をまとめると…
✔ 集客効率を最大化する
✔ 経費を削減する
以上の3つです。
このように細分化していくと、個人で取り組むべき課題も見やすくなります。
・ 薬剤の無駄遣いをしない
・ お客様の口コミへの返答をより丁寧に行っていく
挙げていくときりがないほどありますよね。
まず思いつくことは、全て紙に書き出して仲間内で一つ一つクリアできるように協力していきましょう。
それが美容師の給料を上げる近道になるのです。
自分でお金を作る意識を持つ
これまでの美容業界は、経営者がお金を出して集客し、従業員がさばく…というような図式がセオリーだったわけですが、それらの傾向はだんだんと崩れています。
集客力を兼ね備えた美容師が求められ始めているのです。
例えば、Instagram、YouTubeで個人ブランディングに成功した美容師がどんどん生まれています。
そこからファンになったお客様はその美容師めがけてサロン足を運びます。
サロン経営者も、世間に対して影響力を持つ美容師を欲する傾向になっていくでしょう。
結論から言うと、“影響力、集客力をもった美容師”になることをおすすめします。
サラリーマンが務める会社の商品は物や情報であったりしますが、美容室の商品はアシスタントやスタイリストそのものです。

え?美容室の商品ってカット技術とかシャンプーなどのヘアケア商品じゃないの?
それらも商品の一部ではありますが、お客様は『信頼できる美容師からサービスを購入したい。』という気持ちを持っています。
美容師がサービスや商品の良さを担保していると考えたら、美容師そのものが商品と見れます。
という事は商品価値を上げるという事は、美容師自身が影響力や技術力を上げていき、そのうえでお客様との信頼関係を築いていくことに他なりません。
言い換えれば、美容師は“個性を前面に出してもいい職業”なのです。
【集客力を持つ美容師になるメリット】
・ 美容師の常識を超えた給料を手にすることができる
・ 影響力を持つことで、他ビジネスに横展開することができる
・ 独立した際にも、集客に困らない

ブランディングの重要性は分かったけど、でもそれって難しいのでしょう?結局一部の人にしかできないんじゃないの?
ブランディングは難しくありません。
・ そして見てくれる人に有益な情報を発信し続ける事
これらを、拡散されやすい工夫を行いながらやれば、誰でもブランディングは可能なのです。
ただ、一つ難しいことがあるとすれば…。
継続し続ける事。
発信を始めて1週間や1か月ぐらいで成果は出ません。
そこに絶望してやめてしまう人が9割以上なのです。
長くやり続ける事で必ず成功する保証はありません。
しかし短期間で結果が出ずに辞めてしまうという事はそれこそ成功する確率は限りなく0になるわけです。
それこそ時間の無駄遣いになってしまいます。
(→ 美容師が給料を査定をしたら驚きの結果が【衝撃の結末】)
自分でお金を生み出せる美容師になろうと考えたら、一つの物事を継続することはたやすいことです。
サロンに頼りっきりな美容師が悪いとは思いませんが、あなた自身の将来のために一つステップアップすることを視野に入れておいてください。
あなたを求めて来店されるお客様が増えたら、歩合給が増えます。
そうなれば、美容師の8割が持っている“低収入の悩み”も必ず解決に向かう事でしょう。
今回は以上で終わります。
つたない文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。