
自営業の美容師は年収ってどれくらいなんだろう?今は雇われ美容師だけど経済的に苦しいから、転職すべきか独立すべきかアドバイスが欲しいです。
こういった疑問にお答えします。
✔本記事のテーマ
✔記事の信頼性
私は1人美容室を経営しており、現在月給100万円をコンスタントに稼ぎます。
しかし、美容師になってからの20年間、何度も挫折し失敗を繰り返し、たくさんの遠回りをしてきました。
経験した失敗や遠回りの経験を生かしたアドバイスをします。
✔あなたへ前置きメッセージ
本記事は、『自営業の美容師の年収額についてと、美容師として今後どういう道筋を立てていけばいいのかを教えてほしい。』という方に向けて書いています。
この記事を読むことで…自営業で美容師をした場合のイメージを掴むことができ、“自分がこれからどういった未来を目指してサロンワークをしていけばいいのか?”ヒントを手にすることができます。
独立してからの2年間ほどは、私が描いていた経営のイメージとは程遠い物でした。
“やってみて初めて気づくこと”というものがあるのです。
こういったことを知ってて独立するのと、知らないで独立するのとでは成功までのスピードに雲泥の差が出ます。
ぜひ今後のことについて真剣に考えている人は、最後まで読んでみてください。
自営業の美容師は年収600万円オーバー
いきなりですが美容師・理容師の平均年収をあなたは知っていますか?
結論からお答えしますと、311万4000円です。
(厚生労働省による2019年の「賃金構造基本統計調査」)
参考までに…大卒サラリーマンの初任給が2019年(男女計)21万0200円です。
単純計算で大卒サラリーマンの年収は252万2400円、ボーナスが夏冬1か月分ずつを含めると294万2800円です。
これらを比較すると、美容師の年収は新卒サラリーマンの年収よりはかろうじて高いものの、決して高収入とは言えません。
美容師の年収は国家資格を必要とする職業の中でも低い傾向があります。
(→ 美容師の年収ランキング衝撃の結果がコレ【久々にむせび泣き…】)

体力仕事で、残業時間数も多いし…。本当に厳しい職業です。
なお、この年収の値は2018年以前からもあまり変化がありません。
2020年はさまざまな社会の変化がありましたので、今後はより厳しい状況になる可能性さえあります。
ですが自身で美容室を経営する場合、つまり“独立した美容師”はこの年収にあてはまりません。
自営業の美容師の年収だけを抽出した調査は現在行われてはいないのですが、実際にサロン経営している美容師の年収は600万円程度といわれています。
例ではありますが、客単価7,000円、週6日営業、1日に6人のお客様にご来店いただいたとします。
単純な売上が月100万円となり、そこからテナント賃料や材料費、税金などの経費を引くと手元に50万円以上残ります。
売上1,050,000円 - 諸経費 = 利益500,000円
これを1年続けると年収が600万円になります。
また近年では“フリーランス美容師”、という形で働くことができるようになりました。
いわゆる美容室の面貸し制度です。
こちらも年収700万円以上をめざすことができます。
なぜフリーランス美容師という働き方が人気があるのかというと…、開業資金が必要なく、0円から始めることができるという事があげられるのではないかと思います。
通常、自分のサロンを作るときには数百万円~数千万円単位のお金が必要になります。
そういった初期投資のリスクを取らずに始めることができるというのは何ともありがたい制度ですね。
自分のサロンを持つ前の“腕試しの場”としてチャレンジするのもいいと思います。
地域や業務委託を受けるサロンによって歩合率なども異なりますが、今後ますます注目の働き方と言えます。
自営業の美容師は、雇われ美容師との年収が2倍以上の開きがあります。
将来美容師を続けながら収入アップを目指すなら自営業、フリーランスをするという選択肢は大変魅力的ですね。
自営業の美容師が年収1,000万円を目指すために必要なこと
1店舗のみの経営の場合、そのテナント面積やそれに伴う同時施術可能なお客様の数、それに対応できる美容師の数によってももちろん差がありますが、だいたい年収400万円~600万円程度が限界だと言われています。
自営業の美容師がさらに収入をアップさせ、年収1,000万円を目指すためにはどうしたらいいでしょうか。
年収1,000万円の壁をクリアする手段の一つとしては、店舗数を増やすという事があります。
複数店舗を経営することで、年収1,000万円の壁を超えることができます。
1店舗目で得た経営ノウハウや知名度、技術を活用し、今までアプローチできなかった客層へアピールしていきます。
そして2店舗目以降も軌道に乗れば、年収も当然アップするわけです。
男性の美容師は開業することで、
安定的に家族を扶養する
ことが容易になる場合があります。
また、個人事業主から法人へと事業を拡大していくこともできます。
フリーランス美容師の場合はそれぞれの具体的な契約にもよりますが、
歩合率60%
程度の条件で年収が600万円に達します。
1日に4~6人のお客様(客単価7,000~10,000円程度)を獲得することで達成できるので、決して不可能な数ではないですよね。
勤務日数やお客様の数を増やすことで、年収1,000万円も見えてくるかと思います。
フリーランスの場合、開業の際の経営的リスクを負う必要がありませんので、比較的手軽に始められるのがメリットとしてあります。
なお、あくまでも自身がプレイヤーとして働くため、年収に限界があるということはデメリットとしてあげられます。
開業・フリーランスのどちらの働き方でもメリット・デメリットはありますが、年収アップの可能性はとてつもなく大きいので、自分の目指す美容師像や、働き方などから検討してみて下さい。
自営業の美容師で年収320万円の人もいるらしい。
東京商工リサーチの2019年「理容業・美容業倒産動向」調査によると、理・美容業の倒産件数が119件となっています。
もちろん経営者自身の体力的・年齢的な要因で廃業している場合もあります。
ですが、“経営がうまくいかずに不本意に廃業してしまう美容室が相当数ある”というのは悲しい現実です。
順調に経営しているように見えても、年収が300万円程度の経営者もいます。
その年収であれば、勤務している美容師とほとんど収入は変わらないということになります。
しかし現状が年収300万円の経営者であっても、意識や工夫によって明日から収入を上げていくことはできます。
これが開業・フリーランス自営業のメリットです。
技術を追及したり、知名度をアップさせたり、様々な工夫をして年収アップを目指しましょう。
美容師が自営業を始めて失敗する原因
では、美容師が自営業を始めるときに失敗しないために必要なことは何でしょうか。
まずは、どのような失敗があるか整理します。
勉強不足で経営難
経営のための知識が不足していたり、経営方針を明確にしないままスタートすることで、改善点の修正ができないということが挙げられます。
健全な経営をしていくうえで、美容師としての知識や技術だけでなく、税務やビジネス知識を持たなくてはなりません。
税務の知識を持つことは自身の所得に大きく影響しますので、経営を始めた最初のうちだけでも税理士に監査してもらって色々とアドバイスをもらうのがよいでしょう。
また、スタッフを雇いたい場合には、人材育成や管理にも気を配る必要があります。
これがおろそかになると、美容室経営が成り立たなくなります。

スタッフがなかなか育たなかったり、すぐに退社したりというのはよく耳にする話です。
マーケティング調査をしない
サロンのコンセプトとお客様の年代、価格帯にずれがある
なども失敗しやすい例です。
マーケティング調査をする会社もありますので、めぼしい場所を見つけたらそういった業者に調査依頼をするのがいいかもしれません。
いきなり新規のお客様が大量に来店するということはありませんので、これまでの顧客フォローなどもしっかり行いましょう。
そうすることで売り上げをスムーズに軌道に乗せることができます。
他サロンとの差別化が出来ず“どこにでもあるサロン”になっている
サロンの特色を出して他店と差別化しないと勝ち残ることはできません。
美容整体を組み合わせたり、ヘッドマッサージを強化したり、美容室として正攻法ではないアプローチも考える、柔軟性が必要でしょう。
2020年現在で25万件以上のサロンが存在しています。
コンビニよりも美容室の方が多いわけです。
その中で独自性を出さないサロンはどんどん消えていく…という事は簡単に想像できるかと思います。
美容師は自営業者を目指すべきか?年収から考察する。

美容師は自営業者を目指すべきでしょうか。
私の経験や経営者の友人らの事例をふまえると、当然YESです。
雇われ美容師を続ける中で、年齢やサロン経営の方針、経済的な問題など多くの難しい状況に直面します。
そんな時に自営業であれば、自分がやりたいと思うこと、提供したいサービスを自由に行うことができることは、最大のモチベーションアップになりますし、収入アップの幅も広がります。
自分が納得できる仕事をして、かつ年収をあげることができるのは自営業者の特権でしょう。
現在の日本で1,000万円の年収といえばかなりのものです。
すべてのサロン経営者がそこに到達できるわけではないですが、やる価値は十分にあります。
美容業界全体で盛り上がっていけば、業界の賃金も底上げされ、さらにサロンの売上げも右肩上がりになる。
そんな未来を願ってやみません。
今回は以上で終わります。
つたない文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。